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中国で大学教授が「反乱」

「天安門三十年」習近平批判が噴出

2019年2月号

 新年早々、北京の人民大会堂で演説した習近平国家主席は、その中で今後の台湾政策について強調した。中国の最高指導者としては久しぶりに「武器の使用は放棄せず、あらゆる必要な措置をとる選択肢を残す」と踏み込んだ発言をしたことが注目された。北京の台湾問題専門家は「今回の習演説は、任期中に台湾問題を解決したい気持ちを改めて表明したものだ」と解説する。
 この習演説に、著名大学教授が噛みついた。北京大学国際関係学部の梁雲祥教授は習演説の二日後、香港メディアの取材に応じ「台湾との平和統一は、中国自身に魅力がなければ実現できない。しかし、今の中国は、国内に住んでいる民衆も魅力を感じるところが少ない。多くの人が海外に移住したがっている状況で、台湾の人が中国と一緒になりたいはずがない」と痛烈な一打を放ったのだ。
 その上で、梁氏は今の中国について「硬実力(ハードパワー)では米国に負けている。軟実力(ソフトパワー)では台湾に負けている」と述べた。指導部の怒りを恐れぬ発言ではないか。

政治的な風向きの変化の兆し

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