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米民主党が「トランプ弾劾」へ猛進

増え続ける疑惑に「前例なき包囲網」

2019年3月号

 米民主党がドナルド・トランプ大統領の弾劾準備を進めている。「米国の現代史上、最も汚職まみれの大統領」との定評を持つだけに、連邦下院に二十ある常任委員会のほぼ半数がトランプ疑惑の調査に乗り出すという、前例のない包囲網だ。中核になる下院司法委員会は二月、弾劾に精通した専門家をスタッフに雇い入れ、「その時」に備える意向を示した。
 ロシア疑惑からメキシコ国境の壁まで、米国メディアが、トランプ大統領の動きを「速報」しない日はない。大統領の暴走に隠れてしまうが、民主党が多数派の下院でも連日、「大統領の犯罪」調査に向けた動きが急ピッチだ。
 ロバート・モラー特別検察官によるロシア疑惑捜査には、外交、金融、司法の三常任委員会と、情報問題常設特別調査委員会の計四つが、「主管」として当たる。各委員会も独自の調査を行う。
 米議会の委員会は連邦捜査局(FBI)のような強制捜査権はないが、召喚状を出して証人喚問ができる。これに応じない場合はもちろん、偽証をした時や刑事訴追すべき証言が出た時は、司法当局に捜査を求める。

核開発を巡る「サウジ・ルート」・・・