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経済

《企業研究》りそな銀行

レオパレス炎上で公的資金「再注入」の危機

2019年4月号

「公的資金再注入もあり得る」。金融関係者らの間ではこんな観測さえ飛び交う。
 りそな銀行を中核とするりそなホールディングス(HD)がピーク時で約三兆円にものぼった公的資金を完済したのは二〇一五年六月のこと。〇三年六月の実質国有化から丸十二年かけての「離脱劇」(金融関係者)だった。それからわずか四年足らず。再びりそなHDへの公的資金投入が現実味を帯びつつあるという。
 引き金を引いたのはほかでもない、「レオパレス21」だ。同社がオーナー(地主)から建築を請け負ったアパートの施工不良問題が泥沼化してその経営破綻シナリオも視野に入る中、オーナーらの抱える総額二兆円ともいわれるアパートローンの焦げ付きリスクが急浮上。
 そんな“不良アパートローン”の「最大の出し手」(メガバンク幹部)とされているのが、実はりそな銀なのである。

債務超過寸前に陥る可能性も

 ステルスメーン―。レオパレスの取引行の間では、りそな銀の存在はこう呼ばれている。要するに「隠れ主力行」というわ・・・