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経済

《企業研究》LIXIL

無能経営者二人の「泥仕合」の末路

2019年6月号

 昨年秋の電撃的解任劇で幕を開けた“泥仕合”が一つのヤマ場に差し掛かろうとしている。六月二十五日に開催が予定されている住設最大手、LIXILグループの定時株主総会―。創業家・潮田洋一郎会長兼CEO(最高経営責任者)の意を受ける形で会社側がリコー元社長の三浦善司氏や元米国務次官補のカート・キャンベル氏ら十人の次期取締役候補を提案したのに対し、CEOを解任された瀬戸欣哉取締役が株主として自身を含む八人の候補を独自に提案して抗戦。経営権を巡って両陣営が半ば公衆の面前で激突するのだ。
 会社側が提案している取締役候補は三浦氏らのほか、大坪一彦LIXILグループ現執行役副社長、河原春郎JVCケンウッド元会長、福原賢一ベネッセホールディングス(HD)副会長、竹内洋元関東財務局長、内堀民雄ミネベアミツミ元取締役、松崎正年コニカミノルタ取締役会議長、鈴木輝夫あずさ監査法人元副理事長と鬼丸かおる元最高裁判事。このうち鈴木・鬼丸の両氏は株主提案との重複候補で、新取締役として選任されることが「ほぼ確実」(グループ関係者)な情勢だ。
 これに対し瀬戸陣営の推す候補は・・・