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政治

三期目「神津連合」が右旋回へ

自民党「支持」も辞さない方針転換

2019年8月号

 誰が勝って誰が負けたのか判然としない参議院議員選挙が終わった。日本労働組合総連合会(連合)は息つく間もなく、秋の定期大会に向けて副会長などを中心とする人事の季節に入る。しかし選挙のゴタゴタの最中に合意もとらないままの人事情報がリークされ、内部には疑心暗鬼が渦巻いている。異例の三期目に突入する神津里季生会長は、さらにその先に「歴史的方針転換」という目論見を腹に秘めている。

増加する自民党支持の組合員

 選挙翌日、東京・神田駿河台の連合会館を真っ先に訪れて神津会長ら連合幹部に挨拶したのは立憲民主党の枝野幸男代表と福山哲郎幹事長だった。面談は五分ほどで終わったが、その場にいた出席者は「お通夜のようだった」と口を揃える。立憲民主から比例出馬した連合の組織内候補は全員当選を果たしており、もう少し和やかでもよさそうなものだが、比例全体で八議席に留まり、主に関西の選挙区で敗れたため空気は重かった。
 次に国民民主党の玉木雄一郎代表と平野博文幹事長が訪問。玉木氏がネアカのせいか、組織内候補が落選しているにもかかわ・・・