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政治

ポスト安倍「岸田禅譲」の不安

菅義偉の「野心」が最大の障壁

2019年8月号

 参院選の結果、自民党の「ポスト安倍」レースから岸田文雄政調会長が脱落したとの見方が広がっている。確かに五大派閥の現職候補者の星取り表を比べると、岸田派の「一人負け」は際立つ。
 細田派=十九勝一敗(大分で元首相補佐官の現職が落選)
 麻生派=七勝一敗(新潟で「忖度」発言の現職が落選)
 竹下派=七人全員当選(ただし長野で新人重点候補は落選)
 岸田派=五勝四敗(秋田、山形、滋賀、広島で落選)
 二階派=二勝一敗(岩手で民主党から鞍替えの現職が落選)
「自分の派閥の面倒も見られない親分に党総裁が務まるか。選挙の顔なんて到底なれやしない」
 こんな声が上がるのは無理もない。「岸田嫌い」というより岸田氏など眼中にない二階俊博幹事長は早速、党内の風向きを代弁して安倍晋三首相の「総裁四選」ラッパを高らかに吹き鳴らした。

「アベの後にアベなし」

 もちろん九月の内閣改造・党役員人事で幹事長留任を売り込んでいるのだが、事の成り行きに当の安倍首相は内心大・・・