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社会・文化

吉本興業「カジノ利権」の闇営業

電通と組んで安倍政権に急接近

2019年8月号

 反社会的勢力や闇営業、涙の謝罪会見に事務所離脱問題。もっと重要なニュースはいくらでもあるのに、吉本興業のくだらない騒動が延々とメディアで取り上げられた。今回の茶番に興味がない向きも多いだろうが、吉本興業という企業については知っておく必要がある。本稿では、お笑い芸人を抱える「芸能事務所」という枠を超えたエンターテインメント企業が、異常なまでに政治に接近する理由とその舞台裏を詳らかにする。
「原発については何を言ってもいいが、カジノについては話題にもするなと言われた。これは会社側にとって絶対にタブーなんだと感じた」
 吉本興業所属の夫婦芸人「おしどり」のマコが二〇一一年当時、知人から「反原発活動について吉本から注意されないのか」と尋ねられ、こう漏らした。「おしどりマコ」の名前で今般の参議院議員選挙に立憲民主党から比例代表で出馬し落選した彼女は、三・一一直後から反原発派としての言動を開始。彼女の非科学的な反原発論には批判も多いが、吉本側はそれを咎めない代わりに、無関係のカジノについては釘をさしたのだ。
「まだ法案が国会にも上っていなかった当時から吉本はカジノに・・・