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経済

リクルート「銀行参入」が間近に

「低モラル企業」にその資格はあるか

2019年9月号

 巨大非上場企業として知られたリクルートホールディングスの上場から五年が経過しようとしている。当時、「なぜいまさら上場するのか」という議論があったが、理由のひとつとして「金融事業への本格参入」が挙げられていた。そして今、同社は金融事業の王道である銀行業への参入に向けた準備を続けている。しかし、不祥事連発の同社にその資格があるのか、大きな疑問符がついている。
「リクルートは早ければ今年度中に銀行設立準備会社を立ち上げようとしている」
 ある金融業界関係者は、限られた人間しか知らないトップシークレットを打ち明ける。すでに法規制をクリアするための専門家チームに調査依頼をしており、メインバンクである三菱UFJ銀行に対して「参入する際の協力を要請している」(前出関係者)。
 ローソン銀行などの例を見てもわかるとおり、他業界からの新規参入の際には、「バックアップする既存銀行の協力、出資が不可欠」(金融担当記者)。明文化されたルールではないものの、金融庁が暗黙のうちに要求している条件だ。
 当然「ネット銀行」となるが、リクルートは三菱UFJ側の前向きな返答もす・・・