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経済

ニコン「カメラ赤字転落」の煩悶

中台企業に買われる末路へ

2020年1月号

 ニコンの先行きが危ぶまれ始めた。売上高は二〇一三年三月期をピークに七期連続の減少で、二〇年三月期は最盛期の六割の水準。祖業で今も大黒柱である一眼レフなどカメラ事業が今期、初の赤字転落の見通しとなった。反転攻勢の材料はまったく見当たらず、名門老舗企業らしい豊富な内部留保をただ食い潰している。キヤノンなど同業も右肩下がりの業績だが、三菱グループの一員というブランド意識もあって、社内に危機感は薄い。その姿は、時代を読めなかった米国の名門イーストマン・コダックに二重写し。中国や台湾の電子メーカーなどによる買収が落とし所になりそうな、まさに崖っぷちだ。
 東京オリンピックの今年、日本のカメラメーカーは本来なら活気づいているはずだった。新国立競技場や各競技場ではメディアのカメラの放列にNikonやCan
onのロゴが並び、その様子は世界に放映されるはずだからだ。プロが選ぶカメラとして売り上げが伸びる一大チャンスだった。
 だが、大型交換レンズなどをラインナップに持つ一眼レフカメラや、市場で人気のあるミラーレスカメラが逆に大不振。二〇年三月期の映像事業の売上高は前期比・・・