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連載

西風465

関西財界「楽観ムード」と落とし穴

2020年2月号

 今年の仕事始めとなった一月六日、大阪、京都、神戸それぞれで、財界の「新年互礼会」が開催された。大阪市北区の府立国際会議場の会場では、関西経済連合会や大阪商工会議所、関西経済同友会のトップが集まり、賑々しく二〇二〇年のスタートを切った。会場を取材した全国紙の経済部記者はこう語る。
「新年ということを差し引いても、会場の空気は楽観ムードに包まれていた。五輪イヤーであることに加えて、五年後には万博が控えていることもあり、財界には追い風が吹いているようだ」
 新型コロナウイルス騒動があったとはいえ、引き続き関西エリアのインバウンド需要も堅調と予測する、ホテル業界などの経営者も多く、近年まれにみるほど、前向きな意見が飛び交った。
 インバウンド景気はともかくとして、東京一極集中による負の影響は大都市圏の関西にもあった。ある参加者は「東京の五輪需要は今年まで。そうした意味で巻き返しを誓っている」と語った。
 しかし、こうした状況を危惧する声もあるのだ。ある財界重鎮はこう苦言を呈した。
「明るい雰囲気も結構だが、目の前の課題をクリアするめどさえ立っ・・・