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社会・文化

ゴルフ場「預託金問題」が深刻化

まるで「ぼったくり詐欺」の世界

2020年3月号

 日本のゴルフ場倒産件数は近年、それほど多くない。バブル崩壊後もゴルフ場の数そのものは増加を続け、二〇〇二年に二千四百六十コースとピークを迎えた。しかし同年には、全国で約百コースのゴルフ場の倒産・法的整理があり、負債総額も三兆円を超えた。その後、倒産するコースは徐々に減り、昨年はわずか六コースだった。ゴルフ人口が激減するとされた「二〇一五年問題」を乗り越えたかのようにみえるが、実は爆弾が眠っている。
「バブル期以降に完成し、一度も法的整理されていないゴルフ場は危ない」
 コースの経営に詳しいゴルフ誌記者はこう語る。問題は「預託金」という日本のゴルフ界特有の制度だ。クラブによって保証金、入会予約金などと名称が変わるものの、「償還期限(据置期間)が来たら全額返金する」という前提で会員からかき集めたカネだ。
 利子をつけないため、出資法の埒外に置かれるという奇妙な「借金」である。

最初から「破綻」が見えていた

 今年二月、栃木県のホウライカントリー倶楽部の会員に「入会保証金のお取り扱い・・・