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金正恩「重病報道」の深層

妹・与正への「代行準備」が急ピッチ

2020年5月号

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(三十七)が手術を受け、危篤状態に陥ったとするニュースが四月二十一日(日本時間)、世界を駆け巡った。
 真偽不明の情報が注目を集めた背景には、今年に入って正恩氏の健康悪化の情報が伝えられていたという状況に加え、妹の金与正党第一副部長(三十二)の地位が急浮上したという「伏線」があった。
 正恩氏の健康不安説は、新しい話ではない。韓国の情報機関・国家情報院(国情院)は二〇一八年十月、「糖尿および高血圧がある」と明らかにしていた。
 国情院は、正恩氏の歩き方や姿勢がわかる映像などを基に体型をスキャンし、体重などを分析する「三次元(3D)分析プログラム」を利用して、健康状態を分析してきた。正恩氏は暴飲暴食が原因で、最高指導者になった一二年に九十キロだった体重が一四年には百二十キロ、一八年には百三十キロにまで増えたと推定された。
 十歳代から喫煙を始めたヘビースモーカーで、ワインなどの晩酌が習慣化していると把握されていた。そんな正恩氏の健康が、急速に悪化したという情報が伝わるようになったのは今年初めからだ。
 韓国・・・