三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

政治

安倍はまた投げ出すのか

この国難に官邸の「機能不全」

2020年5月号

 権力のレームダック化の速度は、残り時間に反比例し、慢心の大きさに比例する。
 時間の変数では自由民主党総裁としての任期満了までまだ十七カ月あり、連続四選論も消えないのに、総理大臣・安倍晋三の求心力は弱まる一方だ。長期政権の驕りが膨らませた「反安倍」感情が、新型コロナウイルスへの対応のまずさで噴き出したからだ。第一次政権の「投げ出し」の再来を危惧する声も、強まっている。
 日頃は自信たっぷりの総理大臣秘書官・佐伯耕三の表情から余裕が失われたのは四月中旬、ともに自身のアイデアである「全世帯に布マスク二枚を配布」と、人気アーティスト星野源の動画に、安倍が私邸でくつろぐ様子を勝手に並べて投稿した「コラボ動画」が、ひどく不評だったからだ。
「メディアは人工呼吸器の緊急増産といった前向きの話が出ても、大きく扱わない」と、佐伯が報道に責任を転嫁するのは、彼の権勢を「総理大臣官邸の金正恩」と書き立てた週刊誌は無視できても、大手各紙までもが安倍のコラボ動画を批判的に取り上げるに至り、「メディア操作の達人」を自任するおのれのプライドが傷つけられたからだろう。
{b・・・