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WORLD

「コロナ後」激変の世界秩序

米中自滅で「ゼロ極」の時代

2020年5月号特別リポート

 新型コロナウイルスの世界的大流行に各国政府が追われる中、新たな国際政治・経済秩序の形が姿を現し始めた。
 米国のドナルド・トランプ大統領は、疫病対策での国際協力に全く関心がないばかりか、自己の再選にのみ取りつかれている。「ポスト・コロナウイルスの世界」では、政権交代があったとしても米国の指導力低下は決定的だ。
 一方、疫病の震源地だった中国では、習近平国家主席が不安に取りつかれ、「中国モデル」の有効性を世界に認めさせようと躍起になっている。
 だが、政治・社会の欠陥は覆い隠しようがない。経済や国際金融で覇権を握る事態は、相当長期にわたり起こらない。米・中の二極の混乱で、国際政治・経済は「ゼロ極」の混迷に突入する。

米政府で「恐るべき無能の大流行」

 疫病感染が歴史を変える事件であるのは間違いない。では、過去のどの激変と比べられるのか。国際政治や経済の学者たちの間で今流行しているのが、どの決定的瞬間になぞらえるかという知恵比べだ。
 当初は9・11米同時多発テロ事件(二・・・