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ブラジル「軍政復古」の現実味

イカれた極右政権の危ない「本性」

2020年7月号

「ボルソナロとともに軍事介入を!」。首都ブラジリアにある軍本部前に群衆が集まり、新型コロナウイルスのパンデミックに対する軍の介入を要請した。これに呼応するように、ジャイル・ボルソナロ大統領が馬に乗って登場し、時折謎の咳をしながら「我々が欲しいのはブラジルのための行動だ!」と群衆に呼び掛けた。群衆の要求は、最高裁判所や議会の閉鎖などエスカレートするばかりだ。
 ボルソナロが大統領に就任してから一年半が経過した今、コロナ対応における過激な言動で混乱を生み出し、各方面との対立が先鋭化している。エスタド、フォリャ、グロボなど主要メディアは連日、政権批判を展開。五月下旬の世論調査では調査大手ダッタフォリャで四三%が不支持、アトラス・ポリティコでは五八・一%が不支持となっている。しかし、ボルソナロの孤立が新たな政治的リスクを生み出そうとしている。

「軍政崇拝者」の副大統領

 ボルソナロは二〇一九年一月一日に大統領に就任して以来、極右政権として国防省に対して二十年にわたった軍事独裁の記念式典を行うよう要請したほか・・・