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中国で餓死者はどれだけ出るか

隠蔽される「食糧危機」の実相

2020年9月号

 中国の習近平国家主席が主導する反腐敗運動で大きな役割を果たした共産党の規律部門、中央紀律検査委員会が八月十八日、中国最大の国有食品グループ、中糧集団の財務総監(総会計師)、駱家駹氏に「重大な規律違反があるため調査を始めた」とホームページで発表した。駱氏の規律違反の詳細は明らかにされていないが、「海外から穀物などを購入する際の不正や、同グループ傘下にある各地の備蓄食糧の密売事件と関係しているのでは」と北京の共産党関係者は見ている。
 中国で食糧を横流しするなどの手口で私腹を肥やす党幹部は「碩鼠」(大きいネズミ)と呼ばれる。中央紀律検査委員会は近年、全国各地に調査班を送り、「碩鼠」摘発に乗り出しているが、調査班が到着する前に、黒竜江省大慶市、河南省焦作市、江西省貴渓市、吉林省洮南市などの食糧倉庫が相次いで火事で焼失した。燃えたのは、中糧集団ともう一つの国有食品大手、中国儲備糧グループの関連企業が管理している倉庫が大半だという。倉庫の食糧を密売したため、証拠隠滅のために放火したのではないかと疑われている。特に七月一日に貴州省都勻市で起きた火事は、明らかに放火による。中央紀律検査委・・・