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政治

安倍の病状の本当のところ

再び政権「投げ出し」に至った経緯

2020年9月号

 首相連続在職日数が大叔父の佐藤栄作を超え、歴代単独一位となった八月二十四日。その記念すべき日の朝、安倍晋三首相を乗せた車が滑り込んだ先は東京・信濃町の慶應義塾大学病院だった。十七日にも「日帰り検診」名目で訪れており、短期間の連続受診で安倍の健康不安説は決定的になった。
 二度目の病院訪問を終え、官邸に姿をみせた安倍は「先週の検査結果を詳しく伺い、追加的な検査を行った。体調管理に万全を期して、これからまた仕事に頑張りたい」と記者団に語り、永田町に広がる退陣説を否定した。閣僚は「佳節に病院とは」といぶかるが、首相に近い自民党幹部はこの時点では「持病の悪化だが、持ち直してきている」と解説していた。
 安倍に異変が生じたのは七月六日。首相執務室で軽いめまいを覚えた安倍は嘔吐し、吐瀉物の中に血が混じっていた。嘔吐は下痢、腹痛、体重減少などと並び潰瘍性大腸炎の代表的な症状。その日は予定の公務をこなしたが、以来、再発の兆候が垣間見えた。
 日に日に顔色が悪くなり、足取りの重さは顕著。歩く際も左手は振っているが右手はほとんど動かさない。徒歩一分の公邸から官邸までを車で移・・・