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仏マクロン「極右化」の破廉恥

「まるでトランプ」社会分断を推進

2020年11月号

 フランスのエマニュエル・マクロン大統領が、ドナルド・トランプ米大統領も顔負けの「人種カード」に傾斜している。二〇二二年の大統領選は一年半も先ながら、極右「国民連合」のお株を奪って、白人保守層に食い込む狙いである。一七年の当選時には、「中道左派の新星」と注目されたのに、何が起きたのだろうか。
 新型コロナウイルスの感染拡大で、色あせた今年のパリ社交界。九月になって、華やかな話題が飛び込んできた。フランス一の大富豪、ベルナール・アルノーの長男、アントワーヌが、ロシア出身のスーパーモデル、ナタリア・ボディワノワと結婚した。
 ベルナールは「ルイ・ヴィトン」ブランドなどを持つ「LVMH」社の最高経営責任者(CEO)で、「ファッション界の帝王(または法王)」と呼ばれる。
 四十三歳のアントワーヌは同社傘下の「ベルルッティ」CEOなどを務める。二十代から父親の会社で幹部職に就き、後継者の道を着々と歩んでいる。
 ボディワノワは十代半ばでスカウトされ、十七歳でパリに来てセンセーションを巻き起こし、「スーパーノワ」と呼ばれた。ロシアの貧しい母子家庭から、モデル・・・