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経済

《地方金融の研究》中国銀行

トマト銀行「救済合併」はあるか

2020年11月号

 地銀初の“快挙”だとか。今年十月十五日にソーシャルボンドの発行に踏み切った岡山県地盤の中国銀行。特定の社会問題の解消や改善に資する事業の資金調達のために発行される債券で、国際資本市場協会(ICMA)が定めたガイドライン(ソーシャルボンド原則)に適合することが条件。メガバンクでも発行例は極めて稀で、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)が昨年末、米ドル建てで出したくらいだ。
 今回発行したのは期間十年の期限前償還条項付きの公募劣後債で、調達総額は百億円。中国銀はこれを新型コロナウイルス禍で事業に打撃を被っている取引先中小企業などへの支援融資の原資に充てる。利率は当初五年間が年〇・七八%で、六年目以降は六カ月ユーロ円LIBOR+〇・八一%。運用難に苦しむ他の地域金融機関、中堅生命保険会社や公益法人などが飛びついた模様だ。
 中国銀の新型コロナ対策支援融資は七月末で貸出先三千四百九十三件、残高一千四十二億円(実行額は一千九百六十五億円)。地元金融筋の一人は「劣後債は自己資本比率算定上の分子に算入できる。今回の調達で新規融資など一千億円規模の融・・・