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連載

マスコミ 業界 ばなし

2021年6月号

 若者を中心としたテレビ離れが改めて裏付けられた。NHK放送文化研究所が実施した調査で、国民全体で一日に少しでもテレビを見る人が七九%に減少していることがわかった。特に、十六歳から十九歳の層では、四七%しかいない。これは前回の二〇一五年の調査から、一気に二四ポイントも落ち込んでいる。
 その中で、民放キー局の二〇二〇年度決算が出揃ったが、各社一様に放送収入が下がり、番組制作費も大幅に削減されている。かつて各局一千億円規模に上った制作費が、視聴率トップを走る日本テレビでさえ、八百八十四億円にとどまる。テレビ朝日は六百六十九億円と前年比で二一%も削減された。視聴者離れ→スポンサーからの放送収入の減少→番組制作費の削減と負のスパイラルに入っていることは一目瞭然だ。
 地方局の経営はさらに深刻の度を増す。日本民間放送連盟の調査では、二〇年度の下期は営業収入が持ち直したものの、通期で約一五・六%も落ち込む見通しだ。今年度は、前年比でプラス六・九%を見込んでいるというが、新型コロナ感染拡大の影響は引き続き地方局の体力を奪っていく。そんな中、TBS系列の地方局・・・