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連載

新大学評判記 第19話

筑波大学  豪腕学長「長期居座り」で大揺れ

2021年7月号

 筑波大学の永田恭介学長がこの春、学長に再任されたことへの不満が学内でくすぶっている。二〇一三年四月、病気を患った前学長の後任として臨時登板し、任期は八年間の今年三月までのはずだった。しかし昨年十月、筑波大の学長選考会議が、「情熱、実行力があり優れたリーダーシップを発揮している」として、異例の続投を決めた。しかも学長選考会議は事前に学内規則の変更を行い、学長任期の上限を撤廃していたのだ。仮に今後、学長選考会議が認めれば永続的に学長に居続けられることになる。
「ロシアが憲法改正によりプーチン大統領の長期政権化を可能にしたことになぞらえて、永田氏は『筑波のプーチン』と呼ばれている」。こう打ち明けるのは学内のある教員だ。学長任期上限撤廃の規則変更について教員には知らされていないとして、教職員組合は猛反発した。ある教員によると、規則変更をするには学長選考会議や役員会の議を経ることが必要とされているが、そうした形跡はないという。「ルールに反する変更がされていれば、永田氏が学長に再任された正当性が失われることになる」として、一部の教員が弁護士を通じて公開質問状を出している。
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