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社会・文化

特捜部が狙う「公明党汚職」の獲物

創価学会が怯える選挙への影響

2021年9月号

「党の歴史上、最悪レベルの事件だ。これでは選挙にならない」
 公明党の幹部はこう嘆いた。解散総選挙を控えるタイミングで、東京地検特捜部が議員事務所に家宅捜索に踏み込み、激震が走った。春に特捜部が着手した太陽光発電関連会社「テクノシステム」にまつわる事件はどこまで広がるのか。
 八月四日午前、衆議院議員会館に入る公明党議員二人の事務所に、捜査員が雪崩れ込んだ。事前の情報統制が徹底されていたことは、記者の右往左往ぶりに表れた。第一報を政治部から受けた新聞社が多く、衆院二カ所と参院の議員会館のどこでガサ入れが行われているか情報が錯綜した。某社司法担当記者によれば「特捜部取材に強い読売新聞記者の現場到着が遅れたことを見ても『寝耳に水』の家宅捜索だったことがわかる」という。

「大物」の影もちらつく

 選挙に影響を与えたくない―。一兵卒の特捜部検事から、検事総長まで口を揃える不文律のようなものだ。にもかかわらず、確実に解散総選挙が迫ったこのタイミングで、なぜガサ入れが行われたのだろうか。関係者が口を揃・・・