三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

政治

「小室眞子さんの乱」という政治事件

秋篠宮家が歪めた「戦後皇室」

2021年11月号

 出会ってからもう九年、婚約期間だけでも丸四年の歳月を経て、小室圭さんと眞子さんが結婚した。もはやこれを恋する男女の「永すぎた春」と呼ぶのは的外れだ。事の本質は、次の天皇の長女にして次々代天皇の実姉が、結婚を機に自らの主体的な生き方を貫こうとした結果、皇室と日本から脱出するしかないと決意し、断固実行へ移した事実にある。結婚相手の親族トラブルや適性など、それに比べれば大した問題ではない。眞子さんの意図はどうあれその行動が、「戦後日本の理想の家族像」を体現し、大衆の支持を集めることで成り立ってきた象徴天皇制のあり方に変質をもたらすのは避けられない。その意味で、この結婚は政治事件なのである。

「ロイヤルファミリー」幻想

 決定的な転機となったのは二〇一九年暮れから昨年一月にかけて、眞子さんが皇室の相談役である宮内庁参与数人を順番に宮邸へ呼び、結婚への不退転の決意を表明した異例の行動だった。関係者によると、眞子さんは用意した紙を読み上げ手渡した。①小室圭さんと結婚する意思は変わらない②皇室を離れる際に支給される一時金・・・