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「イカゲーム」に共鳴する南北朝鮮

ドラマに劣らぬ過酷な生存競争

2021年12月号

 動画配信サービス「Netflix」オリジナルの韓国ドラマ「イカゲーム」。韓国を舞台に、貧困にあえぐ四百五十六人の参加者が四百五十六億ウォン(約四十五億円)という莫大な賞金を得るため、自分の命を懸けて様々なサバイバルゲームに身を投じる物語だ。今年九月から配信が始まると、世界九十四カ国で視聴者数一位を記録し、Netflix史上歴代一位の視聴者数を獲得した人気ドラマだ。
 このドラマを視聴した韓国人は「まさに、自分たちが生きている『ヘル朝鮮』と同じ世界だ。登場人物がハングルを使っているから、より生々しく感じる」と話す。ヘル朝鮮。幼いころから激烈な競争に身を置かなければならない韓国を自虐した言葉だ。
 良い人生を送るため、みなが高級公務員、財閥系企業、弁護士や医師を目指す。そのためには、SKY(ソウル大、高麗大、延世大)など良い大学に入ることが必要だ。早い家庭で、二歳くらいから英語やピアノの塾(韓国では学院と呼ぶ)に通わせ始める。小学校高学年ともなれば午後十時くらいまで塾での勉強が続く。
 すでに子どもが成人したソウルに住む五十代の男性は「学院では大体、学校教育・・・