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米IT業界を制覇するインド出身者

人材大国が生む秀才CEOが続々

2022年1月号

 米国の巨大IT企業トップで、インド出身の最高経営責任者(CEO)が急増中だ。二〇二一年十一月末には、ツイッターのCEOが、共同創業者のジャック・ドーシー氏からインド生まれのパラグ・アグラワル氏に代わった。
 これでマイクロソフトのサティア・ナデラ、アルファベット(グーグル)のサンダー・ピチャイ両CEOと並んで、シリコンバレーをインド出身者が率いる潮流が決定的になった。
 強烈な個性で天才肌の米国人創業者に比べて、インド出身CEOの多くはバランスがとれ、視野が広いとの定評がある。巨大企業の世代交代が進むにつれ、インド出身経営者の出番はますます増えそうである。
 ツイッターの新CEOは十二月、社員向けメッセージの最初の一言で、ドーシー氏との違いを鮮明にした。同氏の紹介を受けて、「ありがとう、ジャック。光栄であり、恐縮です」と切り出したのだ。
 創業者のドーシー氏は、攻撃的な自身のツイートでも知られるように、「恐縮(humbled)」といった謙譲語には、まるで無縁の独裁的経営者だった。
 退任したドーシー氏はまだ四十五歳。アグラワル新CEO・・・

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