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韓国「中国傾斜」への憂慮

大統領選で「保守」勝利でも

2022年1月号

 二〇二二年三月九日投開票の韓国大統領選まであと二カ月。現在、与党「共に民主党」が推す李在明前京畿道知事と第一野党「国民の力」の候補、尹錫悦前検事総長が激しい選挙戦を展開している。韓国世論調査会社リアルメーターが実施した二一年十二月第三週の世論調査結果によると、尹氏が四四・四%、李氏が三八・〇%となっている。ソウルの政界関係筋は「尹が大差でリードしてきたが、最近の野党内紛騒ぎで随分差が縮まった。現時点では、ほぼ並んだか、尹がやや優勢という状況ではないか」と語る。

北京五輪への対応で浮き彫りに

 尹氏は、文在寅政権下で、文氏の最側近、曺国元法相に対する容赦ない捜査で、国民の喝采を浴び、大統領候補に躍り出た。ただ、二十七年間の検事生活で染みついた権力者然とした態度や夫人や義母を巡るスキャンダル、政策や論争が得意ではない弱点などを突かれ、支持率が伸び悩んでいた。国民の力の李俊錫代表や保守の長老格とされる同党の金鍾仁前非常対策委員長とも対立。李氏と金氏が、尹氏の側近たちを「ハイエナ」「ハエの群れ」と呼ぶなど混乱した。・・・

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