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政治

《罪深きはこの官僚》藤井健志(内閣官房副長官補)

観光「バラマキ予算」をゴリ押し

2022年1月号

 岸田文雄政権における「官邸官僚」といえば、経済産業省出身の首相秘書官、嶋田隆の名前が真っ先に挙がる。嶋田ばかりが取り沙汰されて目立たないが、実は財務官僚も存在感を発揮している。
 その代表が官房副長官補の藤井健志だ。三人いる官房副長官補が詰める官邸内の部屋は「補室」と呼ばれる。ここで百人ほどの官僚が執務しているが、それを「取り仕切っているのが藤井」(政治部記者)だという。藤井以外の官房副長官補は、外務省出身の滝崎成樹と防衛省出身の髙橋憲一。いずれも実務面では藤井の影に隠れてしまう。結果、二〇二〇年度の第三次補正予算や、十万円給付問題のドタバタへの対処でも、藤井が現場を動かすことになった。
 財務省は首相秘書官にも二人の官僚を送り込んでおり、藤井を筆頭とする財務省出身者が岸田官邸の要所を固めているのだ。
 成立した二一年度補正予算には問題点も多いが、その中で「藤井によって無駄にバラマキが増えた」(政治部記者)と指摘されているのが、観光庁の施策だ。「観光地の高付加価値化」のために一千億円が計上されている。「高付加価値化」と立派な文言を掲げているが、蓋を開けれ・・・

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