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イスラエル「スパイ産業」の獰猛

世界の要人のスマホも「丸裸」に

2022年1月号

 イスラエルのソフトウェア会社が、諜報(スパイ)の世界に革命をもたらしている。
 標的となる国の元首や有力政治家の携帯電話(スマホ)に、「スパイウェア」を送り込み、すべての会話を盗聴するばかりか、スマホ内部の極秘情報をごっそり抜き取る。NSOグループ開発の「ペガサス」は、各国の保安対策を軽々とクリアして、観察対象となる人物のスマホに入り込んだ。
 フランスのエマニュエル・マクロン大統領や、インド野党・国民会議派の総裁だったラフル・ガンジー氏ら現職の国家元首や有力政治家も、ペガサスの被害にあった。世界各国では、イスラエル企業に対して、巨額の損害賠償を求める大型訴訟が相次いでいる。
 二〇二一年十月、パリの空港に、イスラエルのエヤル・フラタ国家安全保障担当補佐官が降り立った。三カ月前の七月、マクロン大統領らに対するスパイ活動が発覚して以後、フランスとイスラエルの仲は冷え切っていた。
 フラタ氏の前にも、ベニー・ガンツ国防相が訪仏して、仏側をなだめようとした。だが、国家元首の電話を乗っ取るという行為に、仏情報当局幹部は大恥をかかされた。ちょっとやそっと・・・

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