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韓国「対日諜報活動」の実情

「丸裸」にされる監視対象

2022年2月号

 朝日新聞、毎日新聞、東京新聞、―。ソウルに拠点を置く日本の新聞社や放送局が続々と、「私のところの韓国人記者も監視されていました」と名乗りを上げる事態に陥っている。政府高官や国会議員らを独立して捜査する韓国の捜査機関、「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)」が野党議員や記者らの通信情報を通信会社に照会していたという。韓国メディアによると、照会の対象は、保守系最大野党「国民の力」の国会議員約九十人や同党の尹錫悦大統領候補夫妻、そして百六十人以上の記者らにのぼるという。
 公捜処は、検察の政治介入を批判してきた文在寅政権が昨年一月に発足させた。それだけに、野党は「文在寅政権の横暴だ」と非難。メディア関係者らも「報道の自由が侵される」と息巻いている。
 ただ、この様子を冷めた目で眺めている関係者も多い。その一人が韓国の大手メディア関係者だ。この関係者は「光州事件を思い出せ。報道への介入なんて、保守の専売特許じゃないか。野党に今回の事件を批判する資格なんてあるのか」と語る。一九八〇年、全斗煥政権が指揮する韓国軍が大勢の光州市民を虐殺した。当時のメディアは事件をそのまま報道すること・・・

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