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政治

岸田を囲む「静かな敵意」

順調政権の裏で絡まる人間模様

2022年2月号

「オミクロン」一色に染まった一月。もはや誰もが感染の危機にさらされている。それは首相岸田文雄も例外ではない。岸田が感染しなくても濃厚接触者となれば衆院で始まった予算案審議にも影響を及ぼす。既に首相番と呼ばれるマスコミ各社の政治部記者にも陽性者が出ており、岸田周辺はさらに警戒の度を上げている。岸田に面談する機会の多い側近は「毎日抗原検査をやっている」と証言する。
 しかし、そんな状況下でも岸田は政財界の要人らとの会食を欠かさない。年明けの皮切りは自民党副総裁の麻生太郎と選対委員長遠藤利明。帝国ホテルの鉄板焼き店「嘉門」で三者会談を行った。麻生は麻生派会長、遠藤は近く派閥への脱皮に動く谷垣グループの代表世話人の一人。
 岸田が率いる岸田派を含め宏池会を源流にした同門の議員集団。絶えず岸田の政権基盤強化をめぐって俎上に載る「大宏池会構想」の実現にとっては外せない顔ぶれと言っていい。
 二階派と肩を並べたとはいえ、所属議員が四十四人の岸田派はなお党内第四派閥に甘んじている。そのためなのだろう、岸田は党内政治に極めて敏感だ。
「いざというときに同志に集まっ・・・