タイガー・ウッズの交通事故から約一年が過ぎた。昨年二月二十三日、ロサンゼルス郊外でウッズが運転していた自動車が横転。両脚を複雑骨折し、大手術が行われた。当初、復帰は絶望的かと思われたが、その後驚異的な回復力を見せている。四十代後半に足を踏み入れたウッズは、新たなドライバーとスウィングに挑戦し、復活を期している。

予定していなかった「お披露目」

　昨年十二月、メジャー大会の歴代王者らが家族とペアを組んで戦うゴルフ大会がフロリダ州で開催された。真剣勝負というよりはイベントだが、ウッズが年末のこの大会に参加できるとは誰も想像していなかった。
　彼は前年に引き続き息子と出場し、二位に食い込んだ。久しぶりの公の場ということもあり、一挙手一投足に注目が集まったが、中でも業界内で話題となったのはウッズがティグラウンドで手にしていたドライバーだ。
　ソール部分に「STEALTH PLUS」と書かれた黒いヘッド。そしてボールを打つフェース面は赤かった。「あの素材はなんだ？」。関係者は騒然となった。
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