「その男」が社長就任直後から本業そっちのけで熱を上げていたのは広告宣伝だったという。まだ彼の「独裁体制」が固まる前だった当時は、社員も「まるで代表取締役広告宣伝部長ですよ」と軽口をたたくほどだった。「その男」とは豊田章男氏。世界最大の自動車メーカーであるトヨタ自動車の社長だ。「そもそも豊田家御曹司の章男社長は生産管理や国内営業、ウェブサイトの立ち上げなど『帝王学』と言えば聞こえがいいが、いろいろな仕事をかじっただけで強い専門分野がない。だから素人目には取っ付きやすい広告宣伝に飛びついた」と、当時を知るトヨタ関係者は話す。
　最近では章男社長自身が登場する広告が増えており、「トヨタの企業広告というよりも、章男社長の個人広告。トップの主張を一方的に報じているだけだ。政治家も経営者も独裁者がやることは同じ」（広告業界関係者）とあきれられるありさま。その最たるものがオウンドメディアの「トヨタイムズ」だろう。章男社長が「マスコミが真実を伝えないから立ち上げた」というニュースサイトだが、世間の反応はどうか。

「公私混同もはなはだしい」・・・