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習近平専制で進む「ロシア化」

側近政治の「人材劣化」が顕著に

2022年5月号

 古今東西、為政者は孤独だ。寝首を搔く者への警戒が募り、枕を高くして寝ることもできない。人口十四億の大国を率いて間もなく十年になる中国の習近平国家主席も、そんな心境なのだろう。
 三月三十一日、前司法相の傅政華氏が共産党籍剝奪と公職追放を同時に受ける「双開」処分となった。問題となった具体的行為は明らかにされていない。だが、党中央規律検査委員会が処分とともに発表した七百字余りの「説明文」の内容に、党内に衝撃が走った。
「傅政華は党と人民に忠誠を尽くさず、政治的野心を極度に高め、目的達成のため手段を選ばなかった。重要問題に虚偽を弄し、中央を欺き、長期にわたり『政治的詐欺師』と結託して悪い影響をもたらした」
 後半部分で「私腹を肥やした」という収賄の疑いに触れてはいるが、単なる汚職事件でないことは一目瞭然。北京では、「傅氏らが習氏暗殺を計画していた」との噂まで駆け巡った。

「政法部門」掌握への焦り

 傅氏は北京警察の叩き上げで、法輪功への苛烈な取り締まりで名を上げた。胡錦濤政権下で警察・・・