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敗勢ロシア軍の「地獄絵図」

アフガン戦争以上の「惨劇」

2022年6月号

「ロシア軍司令官はバカだ」「三カ月間、同じ誤りを繰り返した」「これは破壊工作そのものだ」―。こんな厳しい批判が、ロシア軍の応援ブログから出始めた。ウクライナ侵攻の人的被害があまりに多いため、長距離砲頼みの無差別破壊が激増している。心理的に追い込まれたロシア軍幹部が、見境のない「黙示録的破壊」に傾斜するとの懸念が強まっている。
 ロシア軍を応援するブロガーの一人が、「もう我慢の限界だ」と表現したのは、ウクライナ東部ルガンスク州での渡河作戦失敗だ。
 五月十一日、ビロホリウカという小さな村で、ドネツ川にかけた仮橋を、ロシア軍の第七十四自動車化狙撃旅団が渡っていたところ、ウクライナ軍の集中砲撃を浴び、橋が壊れ戦車が多数、川に落ちた。
 別のブロガーは、「大隊戦術グループ(BTG)のまるまる一つ、もしかすると二つを失ったのではないか」と記した。BTGとは、機動性の高いロシア軍のユニットで、一つのグループは六百~八百人で構成される。ウクライナ側と西側は、五百五十人ほどの死者が出たとの見方を示した。
 ロシアのブロガーたちは、現地情勢を詳しく伝える軍事オタク・・・