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経済

「新型クラウン」必敗のトヨタ

「裸の王様」章男の止まらぬ慢心

2022年8月号

 トヨタ自動車の看板車種「クラウン」が迷走している。豊田章男社長が自ら登壇し、七月十五日に新型の発表会をしたものの、現代風に大変身したデザインは「こんなのクラウンじゃない」と各所から困惑が漏れる。さらに披露した四車種のうち、三車種は精巧な「モックアップ(模型)」だった。章男氏はクラウンが十六代目なことになぞらえて「十六代目は明治維新」と評した。だが関係者からは「実質的には江戸幕府同様、十五代で終わるのでは」との冷ややかな視線を浴びている。

GMの失敗を想起

「ご覧ください、新しい時代の幕明けです―」。千葉市幕張メッセで開いた発表会。章男氏が得意の両手を広げるポーズをとると後方の幕が上がり、四種類の新車に光が当たった。「新時代のクラウンの誕生です」。章男氏は得意満面で、終始景気の良い言葉を並べた。クラウンを明治維新に例えたほか、「世界に誇る日本の技術と人材を結集したクルマ」と自画自賛した。今後は世界販売を初めて本格化し、「年間販売二十万台規模を目指す」と強気に出た。
 ところが参加したジャーナリストは・・・