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経済

あずさ監査法人で続く「無責任体質」

顧客「不正会計」で放置と放棄

2022年8月号

 企業情報開示の拡充と信頼性確保―。日本公認会計士協会の公式サイトで、同協会の会長が挨拶で触れている「責務」のひとつだ。重い社会的責任を背負う会計士、監査法人だが、言うまでもなく、不祥事も少なからず起きる。いわゆるビッグ4の一角を占める「有限責任あずさ監査法人」の姿勢にも疑念が湧いている。
 今年に入り、二つの上場企業の「粉飾決算問題」について東京証券取引所が処分を下した。継続的に架空売上を計上してきたことが発覚したマニュアル制作専門会社のグレイステクノロジーは、二月末で上場廃止となった。一方、売上を過大に見せる会計処理などを行ってきたEduLab(エデュラボ)は、東証一部(当時)からマザーズ(同)へ降格された。監査を担っていたのは前者がEY新日本有限責任監査法人、後者があずさである。いずれの監査法人も責任は免れない。ただ、エデュラボの件では不正発覚前後に、あずさが不可解な動きをしていたことが判明しつつある。

「正義の味方」なのか

 英語検定試験の実施事業や、各種教育関連ビジネスを展開するエデュラボ・・・