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政治

統一教会と自民党 「反ワクチン」で結託

子宮頸がん予防を阻んだ面々

2022年9月号

 子宮頸がんを予防するHPVワクチンが薬事承認されたのは二〇〇九年。このがんで亡くなる女性を大幅に減らせるはずだった。しかし、副反応の事案が報じられ、一三年四月から始まった定期接種は二カ月余りで大幅に縮小された。接種勧奨の再開が決定したのは約八年後の昨年十一月。これだけ長期間かかったのは、副反応だけが理由なのか。厚生労働省からは、「科学的な問題ではなく完全に『政治の話』」(同省関係者)との声が聞こえる。経緯を振り返ると、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と関係の深い自民党議員が登場する。

教団の主張に沿う国会質問

 HPVワクチンの接種が既に始まり、定期接種開始を翌年に控えていた一二年の通常国会。参議院本会議で自民党の山谷えり子氏が質問に立った。山谷氏は「HPVワクチンの予防効果が低いのでは」「アナフィラキシーショックを起こす危険性が高いのではないか」といった点を質問した。
 さらに、「子宮頸がんの増加の主因は、性交渉年齢の若年化と複数の相手との性交渉といわれている」と言及した。そのうえで、「啓発活・・・