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政治

《罪深きはこの官僚》上月豊久( 駐ロシア大使)

居座り七年でも 辞めない「親露派」

2022年10月号

 日露関係が悪化する中、七年間も駐ロシア大使を務める上月豊久大使(六五歳、一九八一年入省)がさらに続投の見通しとなった。
 後任候補だったロシアスクールの武藤顕ロサンゼルス総領事(八五年入省)は今夏、外務省研修所所長に転出。宇山秀樹前欧州局長(八八年入省)は駐デンマーク大使に発令された。
 異例の長期体制について、日露関係筋は「日本を非友好国に認定したロシアは制裁の倍返しをしており、新大使を任命しても、アグレマンを与えない恐れがある」と指摘した。
 上月氏自身が続投を望んだとの説もある。「森喜朗元首相と親しく、森氏を通じて続投を首相官邸に働き掛けている」(外務省霞クラブ記者)との噂も。
 外交官出身の作家、佐藤優氏は上月氏について、「『要領の上月』『茶坊主』といわれる。政治学は95点だが人間学は20点というような外務官僚だった」「筆者は上月氏の直属の部下だった二人から『チャンスがあったら殺してやりたい』と真剣に相談されたことがある」と書いている(『外務省に告ぐ』、新潮社)。上に甘く、下に厳しい霞が関の典型官僚のようだ。
 二〇〇一年の外・・・