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政治

麻生太郎の根深い「岸田嫌い」

《政界スキャン》

2023年1月号

 五年間に少なくとも約四千万円分のパーティー収入を、政治資金収支報告書に記載しなかった疑いで議員辞職した薗浦健太郎元衆院議員は、「麻生太郎自民党副総裁の元政策担当秘書」が最大の看板だった。麻生氏の推しがなければ、当選三・四回で安倍晋三内閣の外務副大臣や首相補佐官(国家安全保障担当)、党総裁外交特別補佐といった華麗なポストを歴任することはなかったはずだ。
 自ら「安倍・麻生側近」と吹聴し、講演では「昨日も総理・副総理と会って……」と自慢する裏話が十八番だった。親分の威光で集客する「商法」だが、いくら「総理・副総理から聞いた」と話しても全く記事にはならない。「政局も政策も薗浦が言ったら外れる」(政治記者)からだ。政策担当と言っても、初出馬で落選後、小泉純一郎内閣の総務相だった麻生氏の事務所で約一年、本物の政策秘書は他にいたから「見習い」にすぎないが、ともあれそこで政界での行儀作法を学んだに違いない。
 東京・六本木の裏路地にあった会員制クラブ「Bovary」が閉じたのは二〇一九年の暮れ。不倫に溺れた人妻が自滅する小説から名前を取った店は長年、・・・

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