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政治

「立民・維新」は政権を目指せるか

野党「多弱解消」が岸田の脅威に

2023年1月号

 自由民主党を率いて国政選挙二連勝を果たした総理大臣・岸田文雄の「黄金の三年」を信じる楽観論はとっくに消え、岸田の手による衆議院解散・総選挙を疑問視する声さえ強まっている。政権の体力低下だけが理由ではない。「多弱」の野党側で、リベラルの立憲民主党と保守の日本維新の会による共闘が実現したことで、岸田の「解散権」が封じられる状況が生まれつつあるのだ。
 維新代表の馬場伸幸は二〇二二年十二月十日の記者会見で、立憲民主との八項目の政策協定が、同日に閉会した臨時国会で一定の成果を上げたと自賛した。
 最大の達成と自認するのは、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題を受けた高額寄付被害救済・防止法の成立だ。自民党は当初、連立を組む公明党内の警戒感にも配慮し、二三年通常国会への先送りを描いていたから、馬場の態度は自惚れとも言えない。
 記者会見に先立ち、立憲民主代表の泉健太や幹事長の岡田克也らと会談した馬場は、「一緒にやれるテーマがあれば引き続き、協調する」と述べ、通常国会での共闘継続を示唆した。

自民党が政権を失うパターン・・・

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