三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

政治

「岸田不況」が加速する

経済無策でも続く「財務省政権」

2023年1月号

「内閣不信任に値する」―。十二月十四日、自民党本部で開かれた税制調査会の会合で首相岸田文雄に反発する議員たちの激しい言葉が飛び交った。事の発端は十二月八日の政府・与党の政策懇談会で、岸田が防衛力増強のための財源確保に約一兆円規模の増税を表明したことにあった。これに思わぬ反対論が飛び出した。経済安全保障担当相の高市早苗がいきなりツイッターで岸田批判を展開した。
「このタイミングで発信された総理の真意が理解できません」
 経済産業相の西村康稔も異を唱えた。明らかに閣内不一致。それに続く税調での反乱。いずれも元首相安倍晋三という突出したリーダーを失った安倍派及び安倍を信奉する議員たちだった。
 自民党本部の不穏な空気は直ちに首相官邸の岸田の耳にも到達していた。しかし、岸田には焦りはなかった。午前中の首相日程をこなすと、岸田は官邸に隣接する首相公邸に移動した。そこに現れたのが元首相の森喜朗だった。
 森は十一月末に新型コロナウイルスに感染したことが判明したが、すこぶる元気な様子で岸田と昼食を共にした。森が公邸に足を運んだのは岸田の要請だったことは言うまで・・・

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます