米国の極右勢力が、米政府や民主党だけでなく、共和党の政治家や活動家も標的に加えている。
　二〇二一年一月六日の米議会議事堂乱入事件（一・六事件）で、多くの極右活動家が拘束されたが、様々な組織が存続しているほか、単独行動の「ローン・ウルフ（一匹オオカミ）」も増えている。極右の信奉者が多いドナルド・トランプ前大統領の家族に対してまで、脅迫するものもいる。
　マージョリー・テイラー・グリーン下院議員（通称ＭＴＧ）と言えば、つい最近まで極右政治家の代名詞だった。左派の議員の事務所に押しかけてケンカを売ったり、議場で体を張ったりと、暴れん坊ぶりも有名だった。
　ところが一月に行われた下院議長選挙では、第一回投票から共和党主流の議長候補、ケビン・マッカーシー氏に投票し、トランプ派や極右議員たちを驚かせた。
　投票が続く中でも彼女の姿勢は変わらなかった。造反派の一人であるマット・ゲイツ下院議員に「あんた、誰に入れたの？」「トランプだ」「マジかよ」と会話しているところも、テレビに映し出された。下院議員ではない前大統領は、もちろん下院議長にはなれない。
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