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社会・文化

若年女性「支援ビジネス」の闇

福祉行政が救わぬ「性搾取」の実態

2023年4月号

「都庁はトカゲの尻尾切りで事態の収拾を図り始めた。不正問題の真相が曖昧になるだけでなく、本来の女性支援は後退する」
 三月中旬、都庁幹部はこう話した。「コラボ問題」―。昨年末からネット上で話題になりはじめ、今年に入り政治家も巻き込んだちょっとした騒ぎになった。騒動の中心は一般社団法人「Colabo」という団体だ。十代の少女や若い女性の支援・保護を掲げて活動しており、新宿・歌舞伎町でバスを改造したカフェを運営して女性たちに食事提供などをしている。厚生労働省や東京都の補助金も受けるこの団体の会計処理に不正疑惑が持ち上がり、ネット上で炎上した。ある福祉団体関係者は一連の会計処理の問題について、「説明は必要」としつつ、こう語る。
「こうした団体で活動しているボランティアなどは善意で動いている。問題は悪意を持って若い女性に近づく連中だ」
 また、「福祉ビジネスの沼は深くて底が見えない。今騒いでいる人たちは断片的なものしか見えていない」と話す。若い女性の支援策のどこに問題があり、「福祉ビジネス」や「福祉もどき」が彼女たちを食いものにするのか。

女性に近づく「支援ビジネス」・・・

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