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カトリック教会が「分裂」の危機

「同性婚」を巡ってドイツが叛旗

2023年7月号

 フランシスコ法王率いるカトリック教会が、分裂の危機にさらされている。震源地は、マルティン・ルターを生んだドイツだ。
 ドイツのカトリック教会は今年、「聖職者の結婚を認める」「同性婚も教会で公に祝福する」など、従来のカトリックの姿勢を覆す新方針を採択した。ローマ法王庁と対決の様相を強めている。
 法王は、「ドイツのやり方は、イデオロギーに凝り固まっている」と一連の動きを批判している。その一方で、聖職者の結婚、同性婚や女性聖職者を認めるかは世界中のカトリック教会で喫緊の課題になっている。カトリック教会の「セックス」をめぐる分裂は、さらに拡大する情勢である。
 ルターの宗教改革のきっかけが、当時の教会の腐敗や汚職にあったように、ドイツの教会で突如巻き起こった改革熱も、教会のスキャンダルが引き金となった。カトリックの聖職者による、広範な性犯罪、性的虐待である。
 ドイツでは二〇〇九年ごろから、告発が本格化した。報道が広がると、「私も以前に被害にあった」という人が次々に名乗り出て、全土のカトリック教会で調査が始まった。あっという間に、一千以上の教会で、聖・・・

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