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社会・文化

ゴルフ「飛ぶドライバー」の進化論

愛好家も目指せ「三〇〇ヤード」

2023年8月号

 飛ばしの欲求を抑えたときにゴルフゲームが見えてくる―。日本のゴルフ界で長年もてはやされてきた伝説のアマチュア、中部銀次郎の教えを金科玉条とする諸賢は、本稿を読まなくても結構です。
 ティショットが遠くに飛べば気持ちよく、スコアも良くなる。この十年以上、ドライバーの機能は「ミスショットをしても曲がらない」という方向で進化してきた。思い切り振って曲がることを必要以上に恐れなくていい。ドライバーの進化はアマチュア向けのモデルだけではない。むしろ、当たり前のように三〇〇ヤード以上飛ばす米PGAのトッププロこそクラブのやさしさを求めており、メーカーはそこでしのぎを削っている。

プロモデルの方がミスに寛容

「やさしく飛ぶ」「モデル史上最高の飛び」。毎年のように出る新作の売り文句が真実なら、クラブを買い替えてきたゴルファーは十年前より五〇ヤードは飛ぶはず―。ゴルフ界のお決まりのジョークだが、実際にはアマチュアの飛距離は伸びていない。
 しかしトッププロの世界は違う。今シーズンのメジャー最終戦となった全・・・

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