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社会・文化

日本ソムリエ協会の「時代錯誤」

ワイン文化「停滞」の真因

2023年8月号

 レストランで胸に金バッジをつけ、ワインを華麗にサーブする。日本のミーハーなワイン愛好家が憧憬するソムリエの団体、日本ソムリエ協会の評判が良くない。同会は今、田崎真也会長が長期政権を続行中だ。
 今年三月で六十五歳になった田崎氏は本来なら、定年退職する立場にあった。だが内規を変更し、二〇一六年に就任した会長職を続投。昨年十一月の理事会で会長選に立候補して認められた。会長は三期六年までという慣例を破り、今年二月から四期目に突入した。
 ワインの世界にも、若手や女性の登用で新風を吹き込んでもよさそうだが、協会は旧態依然のようだ。社団法人にありがちな構図とはいえ、「頂点に立った者が居座り続けると、若い人材が出てこられない」と、ベテランからも将来を不安に思う声が出ている。

「長期政権」を危ぶむ声

 田崎氏は一九九五年に東京で開かれた世界最優秀ソムリエコンクールで優勝し、日本にワインブームを起こした。それから約三十年。二〇〇〇年の沖縄サミット、一九年のG20大阪サミット、今年五月のG7広島サミットな・・・

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