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政治

岸田が奪った 政界「再エネ利権」

「河野太郎潰し」で麻生と結託

2023年9月号

「風が吹けば桶屋が儲かる」を地で行くように、風力発電のパイオニア・日本風力開発(社長・塚脇正幸)に強烈な逆風が吹き、岸田文雄が笑っている。
 いったい、何が起きたのか。
「河野さんは『お前は一体何者だ』と驚いていました。『地方議員です』『党派は?』『自民党です』『おお、自民党か! 珍しいな』。私を気に入ってくださったようで、その日から師弟関係を超えた交流が始まりました。
 やがて、『お前、国会議員になれよ。俺と一緒に働こう』と誘われ、…」(『自民党発!「原発のない国へ」宣言』東京新聞刊)
 以上は、法政大学大学院で、講師を務めた河野太郎と「核燃料サイクル」と「プルサーマル」との違いに関する問答を通じて運命的な出会いをし、彼の引き立てによって市議から国会議員に駆け上がった男の物語だ。版元も「反原発」報道に熱心な東京新聞と申し分ない。物語の主が、東京地検特捜部の取り調べを受けた衆院議員、秋本真利であることを除いては。
 日本風力開発から多額の賄賂を受けとったとの嫌疑をかけられた秋本は、数少ない河野側近の中でも特別な存在だ。滅多・・・

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