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政治

秋解散はまた「頓挫」

「ジリ貧」岸田政権の延命プラン

2023年9月号

「ジョー(バイデン米大統領)や尹(錫悦・韓国)大統領との信頼関係をさらに深める貴重な機会となった。新たな一ページを刻むことを光栄に思う」
 日本時間八月十九日未明。米ワシントン郊外の大統領専用山荘「キャンプデービッド」で、日米韓首脳会談を終え共同記者会見に臨んだ岸田文雄首相は高揚した面持ちで会談を総括してみせた。
 三首脳が国際会議などに関わりなく集まって会談するのは初めてで、岸田が興奮するのも無理からぬところだ。
 首脳会談の定例化の合意といった三カ国の安全保障協力の強化を確認するなど、日本の安保環境が厳しさを増す中で掛け値なしに評価されていいものだ。
 何よりもこの外交成果を、マイナンバーカードを巡る相次ぐトラブルで低迷する政権の浮揚の糸口にしたい思いが強い。三月のウクライナ電撃訪問、五月の先進七カ国首脳会議(G7サミット)の成功で支持率を回復させた「成功体験」もある。九月にはASEAN関連首脳会議、主要二十カ国・地域首脳会議(G20)、国連総会と外交日程が目白押しだ。首相周辺は「日米韓首脳会談を皮切りに反転攻勢だ」と意気込んでいた。
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