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政治

武見厚労相に日本医師会の「失望」

診療・介護報酬改定は財務省主導に

2023年10月号

 疑いの否定で逆に疑念を強めることもあれば、誤解に気付く場合もある。九月十三日の第二次岸田文雄内閣の再改造で厚生労働大臣として初入閣した参院議員の武見敬三が就任記者会見の冒頭、問わず語りに「私は医療関係団体の代弁者ではない」と訴えた。発言は、どう響いただろう。少なくとも武見を支援してきた日本医師会にとって、この人事は最悪のタイミングと映っているようだ。
 今回の内閣改造を受け、日本医師会会長の松本吉郎は「大変素晴らしい布陣」と評価した。政治団体・日本医師連盟(日医連)の推薦候補として、武見を政界進出当初から支えてきたからだ。
 一九五一年生まれの武見は医師ではないが、元首相・吉田茂の「主治医兼政治顧問」だった元日本医師会会長・武見太郎(在任一九五七~八二年)の三男という「看板」がある。幼稚舎から慶應義塾に通い、大学は法学部、卒業後は国際政治学者として九五年に東海大教授に就任した。東海大在職中の八七年にテレビ朝日「モーニングショー」の司会者に抜擢され、九〇年代はテレビ朝日系「CNNデイブレイク」のキャスターを務めた。
 その知名度と日医連の推薦で、九五年参院・・・

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