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NTT澤田「経団連会長説」の裏側 経産省OBと「民僚」が綱引き

2023年10月号

 経団連の次期会長を巡って水面下で駆け引きが始まっている。
 今夏以降、NTTの澤田純会長が次期経団連会長候補であるという報道が複数出た。メーカーでもなく、公的企業の色合いが強いNTTから会長が出れば、旧・経団連時代の、東京電力の平岩外四氏以来となる。異例なため、財界でも首を傾げる向きもあるが、この「噂の震源地とみられているのが、NTTの副社長で経済産業省OBの柳瀬唯夫氏」(財界担当記者)だという。「柳瀬氏は、澤田氏を会長として担いで自らが経団連に乗り込み、手腕を振るいたいようだ」(財界関係者)。
 経産省はこれまでも、経団連に天下り官僚を送り込もうとしてきた。これを「民僚」と呼ばれる経団連の事務方が押し留めてきた攻防の歴史がある。かつて経産省が大物OBを経団連副会長に据えようと画策したときも、これを突っぱねた。それを契機に、外務省から受け入れていた顧問についても廃止し、官僚排除の姿勢を鮮明にした。そのため、事務総長である久保田政一副会長を筆頭に、そもそも「澤田氏の会長就任を阻止したいのが本音」(前出記者)。今後は、綱引きが続く。・・・

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